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“野球で、人を救おう。” BLFが取り組む「スポーツ×社会貢献」(後編)

文:岡田真理

「野球で、人を救おう」をスローガンに、野球を通じた社会貢献活動を展開するNPO法人ベースボール・レジェンド・ファウンデーション(BLF)。その活動コンセプト“選手・ファン参加型の楽しいチャリティー”は、アメリカで得た学びを取り入れたものです。後編では、BLFの具体的な活動内容をご紹介していきます。

プロ野球選手や球団のチャリティーをサポート

BLFでは、活動の柱を二つ設けました。一つは、「選手・球団のチャリティー活動のサポート」です。選手たちに話を聞いてみると、「社会に対して何らかの取り組みをしたいけれど、具体的に何をすればいいかわからない」と悩んでいる人が多いことがわかりました。それならば、BLFから選手のキャラクターやイメージに合ったチャリティー活動を提案し、その活動をサポートすることができると考えたのです。

幸いにも、私には過去にアスリートのマネージメント経験がありました。その強みを活かして選手のよさを最大限に引き出し、選手が楽しんで取り組める活動をプロデュースして、ファンにもサポートしてもらう。それによって、“選手・ファン参加型の楽しいチャリティー”が実現できると考えました。現時点で、すでに4名の現役プロ野球選手と、3名のプロ野球OBの慈善活動をサポートしています。

また、2015年シーズンは埼玉西武ライオンズのチャリティー企画をサポートさせていただきました。実施したのは、「ライオンズカロリーオフセットプログラム」。夏休み期間中のホームゲーム15試合で、選手が試合で消費したカロリー1kcalにつき1円、ファンが応援で消費したカロリー200kcalにつき1円として換算し、その総額がNPO法人TABLE FOR TWO Internationalを通じて、一昨年台風被害にあったフィリピン・レイテ島の農業支援に充てられました。15試合の観客38万2028人の総消費カロリーは6876万5040kcal、選手の総消費カロリーは約30万kcalとなり、合計65万425円が寄付されました。

そして、ライオンズ主催の車椅子ソフトボール大会「ライオンズカップ」にも、15名のボランティアを派遣して運営をサポートさせていただきました。車椅子ソフトボールは2020年東京パラリンピック公開種目、将来的には正式種目になることを目指しているため、プロ野球選手にサポートを要請するなど、大会後も引き続き普及活動に協力しています。

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「ライオンズカップ」では、BLFから15名のボランティアを派遣。前日の設営や当日のイベント運営をサポートした。

BLFが独自に実施する慈善プログラムも

二つ目の柱は、「BLFが独自に実施する慈善プログラム」です。最初に始めたのは、レッドソックス・ファウンデーションに倣った「BLFスカラーシッププログラム」という奨学金制度。このプログラムでは、アメリカでスポーツビジネス、コーチング、トレーニングなどを学び、将来日本のスポーツ界を支えたいと考える留学生の学費の一部をサポートしています。この夏に、スポーツトレーナーを目指す最初のBLF奨学生がアメリカへと渡りました。

また、硬式野球ボールの修繕を通した障害者就労支援も行っています。埼玉県の障害者就労支援施設「夢工房翔裕園」では、高校や大学の野球部から破損した硬式ボールを引き取り、障害者の方々がそれを修繕。エコボール(糸で縫い合わせたもの)50円、アゲインボール(芯を再利用して革を張り替えたもの)270円の対価を受け取って学校に返却し、その利益を障害者の工賃に充てています。現在BLFではこの活動の普及のお手伝いをしており、今後はアゲインボールを購入することによる支援も行う予定です。

シーズンオフには、現役選手が出品するチャリティーオークションも実施します。その収益は、TABLE FOR TWO Internationalを通じた開発途上国支援、BLFスカラーシッププログラム、硬式野球ボール障害者就労支援、そして、難病の子どもの夢をかなえるプロジェクト「メイク・ア・ウィッシュ」の支援などに充てられる予定で、すでに多くの選手が協力を表明しています。

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BLFに寄付するとサイン入りグッズがもらえる企画を実施し、「選手・ファン参加型の楽しいチャリティー」を実現。提供者は、桑田真澄、仁志敏久、石井一久、アレックス・ラミレスほか、青木宣親など現役選手も。

日本のプロ野球選手も、真のスーパースターに

BLFを法人化して、この11月でちょうど一年。アメリカでの事例を日本でうまく浸透させることができるのか、最初は不安だらけでした。しかし、思っていた以上に日本のプロ野球選手も「社会に対して何かしたい」という思いが強いことがわかり、今後もさらに活動が充実していくだろうと確信しています。

ライオンズや多くの選手・OBのおかげで、アメリカで抱いた思いを少しずつ形にすることができています。レッドソックスがワールドチャンピオンに輝いたときに抱いた“野球へのときめき”は、二年経った今でも忘れられません。近い将来、日本の多くの子どもたちが同じような思いを抱けるよう、これからもBLFは地道な活動を続けていきます。

 

文:岡田真理