SPOZIUM(スポジウム)

VOICES

学校施設の合理的な利用法

友人たちとバスケの試合をするために体育館を借りるとする。例えば平日の夜に団体で渋谷区の小学校の体育館を借りるとすると、様々な条件をクリアしなければならない。

①10人以上の団体で、使用する人全員が区内在住または在勤者であること。
②定期的で継続的な活動・使用であること。
③営利を目的とした使用でないこと。
④他の区立学校で団体登録をしていないこと。
渋谷区ホームページより)

全員が区内在住または在勤というハードルは高く、また利用者も多いのでかなり前から手続きをしないと、希望の日に使うことはなかなか難しいという。ただ、その条件をクリアできれば、利用料は無料だ。

アメリカでバスケの試合に出ようと誘われて参加したときに、面白い光景に遭遇した。誘ってもらったチームは全米最大規模と言われるアマチュアバスケットボールリーグ、「ニューヨーク・アーバン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ」に参加していたが、このリーグの試合がマンハッタン内の学校の体育館で行なわれていたのだ。

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ニューヨーク・アーバン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグウェブサイトより

このリーグは男子が約270チーム、女子でも約30チームが登録し、プロに近いレベルからレクリエーションとして参加するというレベルまで、それぞれのディビジョンに分かれている。シーズンは春シーズンから冬シーズンまで1年に4シーズン。試合は平日の夜に行なわれ、各会場にはレフリーとタイムキーパー、そして警備員がリーグから派遣されている。

このリーグに参加するために、1チームが1シーズンに支払う金額は1,299ドル。日本円で約16万円(1ドル123円で計算した場合)である。1シーズンは最低8試合あるので、10人のチームだとして、1人1試合2,000円ほど支払う計算になる。

単純比較すると、営利運営の場合日本ではまずほとんどの学校体育館は借りられないだろう。そして生徒の帰宅後とはいえ、たくさんの一般の人々が学校に入ることに否定的な意見も多いはずである。しかし、お金を払って警備員を雇い合理的に利用するというところがなんともアメリカらしい。

公の施設を該当者が無料で利用する、という考え方はそもそもの施設のあり方や行政の仕組みとして大事だと思うし、私もその恩恵を受けている。ただ必要な部分に必要なお金を払う形をとることで、用途や利便性、経済面での広がりがかえってうまれるという場合もある。誰のために、何のために、つくられているのか、どういう利用をされるべき施設なのか、それぞれの施設について改めて調べてみたいと思う。