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ビジネスとして視る”スポーツCM”まとめ vol.2

前回の記事では、スポーツシップで得られた権利を使って制作されたCMを取り上げました。今回は、公式スポンサーではないが、あたかも大会スポンサーであるかのような印象を与える、いわゆるアンブッシュの立場で作られたCMにスポットを当ててみたいと思います。(ここでは、アンブッシュという立場の善し悪しの議論は避けて、単なる紹介にとどめます。)

 

まずは、2012年ロンドンリンピックの際にOAされたナイキのCM。

ナイキはロンドンオリンピックの大会公式スポンサーではありませんが、大会の盛り上がりに合わせて上手くマーケティング活動を展開しました。「Find Your Greatness」というテーマで行ったグローバルキャンペーンでは、オリンピックという晴れ舞台で活躍するアスリートはもちろん特別な存在だが、たとえ日の当たらない場所でも、精一杯スポーツに邁進する誰もが特別な存在である、というメッセージが込められています。オリンピックの公式スポンサーはアディダスでしたが、ナイキが公式スポンサーと思っている人も少なからずいたようで、ナイキの強かさが目立ったキャンペーンとなりました。

 

次に、同じくナイキで、高校野球をテーマにした「ざわつかせろ」キャンペーンのCM。

ナイキは、一つ目のケースと同様に、高校野球甲子園大会のスポンサーではありませんが、甲子園の象徴とも言うべき「選手宣誓」を舞台に、「どのスポーツでも選手達はチーム、コーチ、ファン、対戦相手、そして世界にインスピレーションを与えることができ、「自分」のための努力が結果的にチームのためになる」というメッセージを発信しています。ちなみに、第53回ACC(全日本CM連盟)のCMフェスティバルでも優勝作品となっており、まさにナイキの狙い通り、世の中を「ざわつかせる」キャンペーンとなったようです。

最後に、昨年のサッカーW杯ブラジル大会の際に、話題になった日清食品のCM。

甲冑を身につけたサムライが、W杯が開催されるブラジルに乗り込んで、アクロバティックなリフティングを披露する、といった内容です。日清食品は、W杯の大会スポンサーでも、サッカー日本代表のスポンサーでも何でもないですが、「ブラジル」「サムライ」の要素を上手くついて、「カッコいい」とネット上で話題となりました。

これから東京オリンピックに向けて、日本の国内においても、様々な企業がスポーツに目を向けることは必至です。しかし、全ての企業がオリンピックスポンサーになれる訳ではないので、これらアンブッシュの立場からのマーケティングも活性化することが予想されます。正当なスポンサー側もアンブッシュ側も、スポーツをテーマにしたコミュニケーション活動を行うことで、スポーツ市場全体が盛り上がることを楽しみにしています。